校正サービス
商品の印刷を行う前に、事前にデータの不具合や色の調子を確認するための校正を「色校正」といいます。当社では、「色校正サービス」の商品ラインナップとして、本印刷同様の印刷機、インキ、本紙にて印刷を行う「本機校正」と校正用の出力機にて印刷を行う「簡易校正」をご用意いたしております。
モニタの色再現と印刷物の色再現の差を認識するため
デザインソフトで希望色で作成されたデータで印刷を行っても、実際の印刷物は同等の色で仕上がることはほとんどありません。ひとつは、使用されているモニタの再現できる色域と印刷の色域が同一ではないためです。モニタの色再現はR(レッド)とG(グリーン)とB(ブルー)の加法混色となります。一方、印刷物の色再現はC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)の減法混色となります。
RGB色とCMYK色についてこのように、モニタと印刷物では色を表現する色空間は、色域が異なるため、モニタで確認している色通りに仕上がる保障はありません。
つまり、モニタで確認している色が、希望の色として仕上がるかどうか、本印刷で失敗しないために事前に確認することが重要となります。
本紙での印刷の印象を確認するため
印刷用紙には、非塗工紙か塗工紙、さらに塗工紙でもグロス系やダル系、マット系など様々な種類があります。同じデータでも、印刷用紙によって、印刷での仕上がりは異なった結果となります。例えば、塗工紙(コート紙での印刷では鮮やかだった色が、非塗工紙での印刷では暗い印象の色で仕上がるというような結果が生じます。
見る人や環境によって、同じ印刷物でも見え方が異なるため
例えば、赤色を想像する場合、赤いトマトを想像する人もいれば、赤いバラを想像する人もいます。実際に想像する色は、記憶を頼りに補正がかかり、実際の色とは異なる可能性があります。実物を見て色を評価する場合、見る人の感性や経験によって、同じ赤色でも、「明るい赤色」と感じる人もいれば、「暗い赤色」と感じる人もいるかもしれません。
その他に、人が色を認識するのは、印刷物に反射された光を目を通して「脳」で「色」として具現化します。そのため、印刷物の色を評価する際、<環境光>によって、見え方は異なってきます。太陽光を例にすると、印刷物を朝の光を見る場合と夕方の光で見る場合とでは、見え方も異なります。また、屋内でも、照明によっても同様に見え方に影響があります。
上記のことから、「色校正」は、本印刷の仕上がりが実際に見られる環境や確認する人のイメージ通りなのか、事前に確認する方法となります。
本印刷進行時、色指標として「色校正」を利用できる
本印刷時における、色見本としての「色校正」
グラフィックでは、「ジャパンカラー認証の色差許容範囲」を合格基準として印刷物を出荷しております。日本国では、オフセット印刷における印刷色の標準的な基準として「ジャパンカラー」が策定されており、ジャパンカラーに準じた色再現ができる印刷技術などについて、第三者が審査・認定を行う「ジャパンカラー認証制度」があります。グラフィックは、この認証を取得しています。
同じデザインデータによる増刷であっても、ご注文の都度、「色差許容範囲」において色が変動しますので、例えば前回は「合格基準内で赤っぽく」仕上がり、今回は「合格基準内で青っぽく」仕上がりますと、いずれも合格基準の範囲内であっても、色によっては「目に見えて色が違う」ということがあります。
またグラフィックでは、少部数でも低価格にご提供できるよう、同じ用紙でご注文されたお客様のデザインデータを、1枚の大判用紙に複数並べ(「面付け」といいます)、まとめて1回で印刷いたします。製造コストが分散する効果がある反面、デザインデータの組み合わせによっては、赤っぽくなったり、青っぽくなったり、あるいは、濃い、薄いなどの変動が生じます。この変動につきましても、色差許容範囲内に収まるよう調整いたします。
この色差許容範囲内における色の変動を抑えるには、印刷時に色校正を色見本として添付する以外ありません。色校正をもってお客様と印刷技術者の間で共通の認識がとれますので、ご希望の色に近づけることが可能となります。
ただし「簡易校正」であるデジタルプルーフにつきましては、色の再現方法や使用するインキが印刷とは異なりますので、色見本としての精度は本機校正より劣ります。シビアな色の確認をご希望の場合は、本機校正をお選びください。