Re : ポストカードの仕上がり
ご利用ありがとうございます。
彩度がなかったとのこと、早速確認させていただきました。
カラーレーザープリンタ(FujiXEROX DocuColor1255)より出力もしてみました。
このプリンタからの印刷結果は、弊社印刷機より出力したものと
同じ仕上がりの色が表現されるようにチューニングされているものなので、
フジイ様にご納品したものと同じ色彩のものが出力されているとお考えください。
この印刷の結果では、感覚的な表現で言うと、
全体的に少し濁ったような感じに見受けられました。
PCにてデータを開けて確認してみましたが、
これは弊社では刷版システム行程に従来の方法との違いがあるために
起きた現象と推察いたします。
従来の印刷方式では、製版システムより製版用フィルムを出力した後、
フィルムに光を当てて印刷用の版に焼き付けて印刷用の版を作る作業を行います。
実はこの行程には、
データ上で表現されている色の明るい部分(1~3%)の網点は
焼き付けされずにとんでしまい、
また暗い部分(97~99%)は100%の濃度の色でないにもかかわらず
100%の網点として焼き付けられるという問題があります。
このため、データでは色がついているにもかかわらず、
従来の刷版から印刷されたものでは、
データ通りの色が出力されないという問題がありました。
弊社で導入している刷版システム[サーマルCTP]は
製版システムから直接印刷の版にレーザー光線で焼き付ける刷版方法を
取っています。この方法で作成された印刷版は
製版フィルム出力というワンクッションを置くことがないために、
前述の暗い部分や明るい部分の色も
データ通りに網点に再現されるという大きなメリットがあります。
当然、それは印刷結果にも反映されます。
さて、前置きが随分長くなりましたが、
フジイ様のデータでは印刷色のシアン(青色)が1~3%使われている箇所が
見受けられました。
特に肌色の部分に関しては、
1~3%のシアン色が使われているものが多くありました。
従来のフィルムから刷版される方法では
このシアン色部分の網点は反映されないため、
彩度が上がったように見えるのですが、
弊社のサーマルCTPからの刷版ではデータ通りに反映されるため、
肌色系の逆色にあたるシアン色が1~3%再現されることで
彩度が落ちたように見えてしまうのです。
また、モニタや家庭用プリンタでは印刷色より鮮やかに見える傾向にあるのも、
彩度が落ちたように感じられると思います。
したがって、データ通りに出力されているとお考えいただければ幸いに存じます。
逆にデータ通りに出力されていることで、
従来方法では成し得なかった微細な色調の再現なども実現されております。
もし、ご希望であれば弊社印刷システムより出力されたカラーチャートを
ご郵送いたします。
以上、大変長くなりましたが、
ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。
フジイ様のご期待に添えるようにこれからもスタッフ一同頑張りますので、
次回もまたお待ちしております。