ジークレーとは
What's Giclee Printing
ジークレーの紹介
IRIS社が1980年代に開発したIRISという名のプリンターを、写真家で音楽家のグラハム・ナッシュが使用したことが、ジークレー(ジクレー)の起源です。ジークレー(ジクレー)とは、フランス語で〝吹き付けて色を付ける〟という意味で、リトグラフやシルクスクリーン版画と違い、版を用いずに刷り上げるのが特徴です。
具体的には、デジタルデータを上質なキャンバスや版画用紙、高級写真用紙や和紙など、最高級素材に、高精細で広色域なプリントを施します。
ポスター印刷との最も大きな違いは、作家自身が監修を行い、プリント工房(グラフィック)と共同で作り上げる【作品】という点です。
音楽業界に例えると、作家はミュージシャンでプリント工房(グラフィック)はレコーディングエンジニアにあたります。
プリントに加筆を施したり、サインやエディション番号を作家自身が書き加えることにより、美術作品としての価値を、より高めることが可能です。
これは、リトグラフ、シルクスクリーンに続く、現代アーティストのための新たな表現技法といえます。
- リトグラフ
19世紀~
水と油の反発作用を利用した版画技法で、ピカソなどが活用しました。
複雑で時間も多く要しますが、独特の味わいある質感が得られます。
- シルクスクリーン
1950年代~
絹のスクリーンを使用してインクを落とす版画技法。ウォーホールや横尾忠則などが活用し、大衆向けに多くの作品を残しました。
- ジークレー
現代【デジタルデータに対応】
最新鋭のプリント技術を使い、厳選した最高級の素材にプリントする技法。
コストを大幅に軽減でき、従来の技法に勝るとも劣らぬ、高い質感を誇ります。
ジークレーのメリットと可能性
オンデマンド対応
従来の技法と違い、版を必要とせず、掛かる手間やコストが極めて少ないため、1枚から比較的安価に美術作品の作成が可能となりました。
また、展示用に1枚だけ作品を作り、後は受注毎にオーダーをいただくことで、作家やギャラリーに掛かるリスクや負担を、大幅に軽減することが可能です。
アートをより身近にする"変革"
ジークレーで作品を作ることで、作家自身が監修した高品質な美術作品を安価で提供できるようになり、ファンも作品を購入し易くなります。美術業界では「作品の価値=作品の値段」というところがありますが、ジークレーの普及により、音楽業界と同じように、作品の販売数や普及率が作品の評価に直結するような仕組みへと移ることも考えられます。これは、アートをより身近なものにする〝変革〟で、美術業界の振興に大きな力となり、多くの人々に受け入れられることでしょう。
急激な成長
欧米の絵画市場においては年率60~70%増の割合で急激に成長しており、既に一般的な版画技法として認知されています。これは、デジタルで制作するアーティストの増加が要因であるのと、原画を忠実に再現できるので、著名な作品の複製画として活用されるケースが増えてきたためです。現在では世界的に有名なルーブル美術館、メトロポリタン美術館などがジークレー作品を展示するに至っています。
ジークレーが活躍するシーン
ジークレーは立場の違う様々な人々に重宝され、様々なシーンで活躍します。
デジタルで制作されている「CGクリエイター」や、普段は商業向きの仕事をされている「イラストレーター」や「デザイナー」、「フォトグラファー」の方々のオリジナルアート作品もその一つ、仕事で培った技術を利用して表現活動を行うことで、アーティストとしての新たな世界が広がります。
油彩や水彩、デッサンなど、伝統的な絵画技法で制作されている「画家」の方々は、オリジナルを手元に残して、ジークレーを販売されるケースがございます。
シルクスクリーンやリトグラフで作品を制作されていた「版画家」の方々は、新時代の版画技法としてジークレーに移行されるケースがございます。
現代アーティストはジークレーの上から手彩を加えることにより、付加価値の高い「ミクストメディア」として作品を発表しています。
さらには、神社・仏閣や博物館・美術館などが収蔵している重要文化財の複製・デジタルアーカイブなど、その活躍の場は多岐にわたります。
- デジタルアートのオリジナル出力
- CGクリエイター
- イラストレーター
- デザイナー
- 画像(ミクストメディア)
- 高精細写真出力
- フォトグラファー
- フォトスタジオ
- フォトギャラリー
- デザイナー
- アートの複製
- 画家
- ギャラリー
- コレクター
- 文化財の複製(神社・仏閣・美術館・博物館)