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寒中見舞いの書き方は?文例とマナーの基礎知識
2020.07.29
「年賀状を送っていない人から年賀状をもらった」「松の内(元旦から7日まで)に年賀状を送っていない」「喪中の人へのご挨拶はどうしたらいい?」など、そんなときに活用したいのが「寒中見舞い」です。「寒中見舞い」は、いろいろな使い方が出来る事をご存知ですか?
ここでは、「どんな風に書けばいいか分からない」と悩んでいる方に向け、「寒中見舞い」を季節の挨拶状として用いる場合や、年賀状の代わりとして使う場合など、そのままで使える簡単な文例を利用シーン別に掲載しています。寒中見舞いの作成に悩んでいる方は、是非ご参考になさってください。
寒中見舞いの基本的なマナー
そもそも「寒中」って何?
「寒中見舞い」の「寒中」とは、二十四節気(一年を24等分にして季節ごとに分けたもの)の「小寒」と「大寒」にあたる期間です。その寒中の書状なので「寒中見舞い」と呼ばれています。
「大寒」が過ぎると「立春」がやってきます。大寒の最後の日、つまり立春の前日は「節分」と呼ばれており、季節の分かれ目を示しています。そのため、「寒中見舞い」は「節分」(2月3日)までに送るようにしましょう。「立春」以降は、暦の上では春。しかし、この頃は春になってもまだ寒いということから「余寒」と呼ばれます。そのため、「立春」以降の挨拶状は「余寒見舞い」といいます。
寒中見舞いの用途例
「寒中見舞い」は、一年の中で寒さが最も厳しい時期に送る“冬の便り”の一つです。相手の体調を気遣うとともに、こちらの近況を伝えます。季節のご挨拶である寒中見舞いはがきは、ほかにもいろいろな使い方ができるので、いくつかの具体例を紹介します。
松の内(1月7日)を過ぎてから使う
- 年賀状を出すのが遅くなり、松の内を過ぎてしまった場合。
- 年賀状の返礼を松の内に出していない場合。
- 年賀状を投函したあと、年末にお歳暮をいただいた際のお礼状。
喪中の方宛に使う
- 喪中の方へ、年賀状の代わりに出すご挨拶。
- 喪中の方に年賀状を出してしまった場合のお詫びの手紙。
自身が喪中の場合に使う
- 喪中と知らずに年賀状をくださった方に欠礼のお知らせ、もしくはお返事として使う場合。
ちょっと変わった使い方
- まとめて届く年賀状は、どうしても受け取る方の印象が薄れがちになります。ビジネスシーンでは、年賀状は仕事始めのときに見たりするものです。そこで、あえてタイミングを少しずらした「寒中見舞い」を出すことで、取引先に印象を残すという使い方も考えられます。
寒中見舞いを送る範囲って?
寒中見舞いを送る範囲は、使い方によって変わってきます。
季節の挨拶として
喪中の方を含めて、どなたにでも送ることが出来ます。旧年中にお世話になった方に向けて書いてみるのも良いかもしれません。
年賀状が出せなかった場合に
松の内に年賀状をくださっていた方、相手方や自身が喪中だったため年賀状は出せなかったが近況報告を送りたい方に向けて出します。
寒中見舞いの書き方
寒中見舞いの基本的な内容
「寒中見舞い」は、時候の挨拶や理由(喪中やお礼の言葉など)、近況報告、相手の体調を気遣う言葉などを簡潔に盛り込みます。段落の書き出しは、1文字下げて書くと美しいレイアウトになります。
- 寒中見舞いの挨拶
冒頭の挨拶ですので、少し大きめに書きます。
- 時候の挨拶
省略することもできます。
- 寒中見舞いの理由
状況によって内容が変わります。
- 近況報告
具体的に書く方が喜ばれます。
- これからのおつき合いをお願いする言葉
挨拶状として使う場合に書きます。
- 相手の体調を気遣う言葉
「寒中見舞い」本来の目的なので、必ず書きましょう。
- 日付
(令和○年一月 など)
「寒中見舞い」は季節のご挨拶、「喪中はがき」は年賀欠礼の挨拶状
「寒中見舞い」とよく混同されるものに、「喪中はがき」があります。この二つ、似ているように見えて、実は全く別の用途で使われるものです。
「寒中見舞い」は季節のご挨拶や、喪中の方へ年賀状の代わりに出すご挨拶、自分が喪中の場合に年賀状をくださった人へ、お礼や感謝の気持ちを伝える手紙でした。送る期間も、松の内(元旦~1月7日)を過ぎてから、2月3日までの間に出すようにします。
一方「喪中はがき」は、その年に自分の身内や家族に不幸があった場合に、「喪中のため、新年のあいさつ(年賀状)は控えさせて頂きます。」と言う旨を事前にお知らせするための手紙です。「喪中はがき」は言わば、年賀欠礼の挨拶状として使用します。そのため、送る期間も相手方が年賀状を作成し始める前に届くようにします。一般的には11月~12月上旬までに届くように準備し、投函するようにしましょう。
寒中見舞いの文例
寒中見舞いの一例を見てみましょう。こちらもパターンが決まっていますが、寒中見舞いには役割がいくつかあり、その役割によって若干の違いが出てきます。
【寒い季節の挨拶として出す場合】
寒中お見舞い申し上げます
毎日寒い日が続いておりますが いかがお過ごしでしょうか
(簡単な近況報告)
本年も変わらぬお付き合いの程 よろしくお願い申し上げます
この冬は例年になく寒さが厳しいようです
皆様もどうかご自愛くださいませ
令和○年一月
このように、まず寒中見舞いの意味合いを示す一文から始まり、相手を気遣う言葉、近況報告などでまとめます。
【年賀状の代わりに書く場合】
寒中お見舞い申し上げます
早々のお年賀状 ありがとうございました
昨年○○が亡くなり 新年のご挨拶を控えさせていただきました
欠礼のお知らせも申し上げず 大変失礼いたしました
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます
厳寒の折 風邪など召されませんようご自愛くださいませ
令和○年一月
寒中お見舞い申し上げます
皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます
旧年中は大変お世話になりありがとうございました
新年のご挨拶が遅くなり 大変失礼いたしました
新しい年のご多幸と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げますと共に
本年も変わらぬご厚誼の程 宜しくお願い申し上げます
令和○年一月
最初の一文は同じですが、その後にいただいた感謝の意を伝えて、年賀状を遠慮した旨、もしくは遅れた旨を説明し、年賀状同様、新年も変わらぬお付き合いをお願いする文面で締めます。
マナーを守って、相手への気遣いも忘れずに
今回は「寒中見舞い」について詳しく取り上げました。「寒中見舞い」は、年賀状でご挨拶できなかった場合に補ってくれる便利な手紙です。
喪中の方への年賀状の差し出しはマナー違反には当たりませんが、基本的には控えておくべきものでした。
寒中見舞いはがきを実際に使う機会はそう多くありませんが、一歩間違うと相手に対して失礼な印象を与えてしまうものでもあります。年賀状と同じく、寒中見舞いはがきも互いの近況や思いを届けるための、ひとつの挨拶状です。マナーをしっかり守って相手への気遣いを忘れないようにしましょう。
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