化粧箱とは?導入のメリットや箱の種類・用途
商品や贈り物を入れる箱を「化粧箱」と呼ぶことがあります。一般的な梱包用の箱とどのような違いがあるのでしょうか?
本記事では化粧箱の意味と、化粧箱の役割やメリット、定番の形状、代表的な用途を解説します。
化粧箱とは「印刷等の装飾を施した箱」
化粧箱とは印刷等の装飾が施された、内容物の見栄えをよくするための箱を指します。内容物を保護する役割ももちろんありますが、ダンボール箱のように保護や保管を主目的とする「外箱(外装箱)」とは区別されることが多く、”内箱”や”個装箱”と呼ばれることもあります。
化粧箱は印刷や表面加工を施すことで、商品の魅力をアピールしたり、高級感やブランドイメージを演出するのが主な役割です。また、贈り物としては相手への敬意を表す意味合いもあります。内容物の付加価値を高め、受け取る相手へ良い印象を与える目的で使われます。
ダンボール箱でも装飾が施されたものや使い道によっては化粧箱と呼ばれることがありますが、本記事では区別して扱っています。
化粧箱のメリット
中身を保護する役割に加えて、化粧箱を用いるメリットをご紹介します。
【 販促効果が期待できる 】
化粧箱は商品の見栄えを良くし、商品の魅力をアピールしたり、ブランドイメージを演出することができます。結果、他商品との差別化につながり、販促効果を高めるメリットがあります。
レトルト食品のように、外観で中身が判別しにくい商品では、その商品がどんなものかを正しく伝え、魅力やコンセプトを訴求する役割を持ちます。
また、化粧品のようなブランドが重視される商品では、箱の高級感や美しさが商品への満足度にも影響を与えます。
化粧箱のデザイン次第で商品価値を大きく高められる点が化粧箱の最大のメリットです。
【 デザインの自由度が高い 】
化粧箱はデザインの自由度が高い利点もあります。箱の形状や素材、印刷加工が豊富で、独自性の高い箱を作ることができます。
箱のデザインについては全体がフルカラーで印刷可能なのはもちろん、箔押しやニス加工といった表面加工のバリエーションも豊富です。
化粧箱を用いることで、商品の形態にとらわれず、コンセプトやブランドイメージを十分に表現することができます。
化粧箱のデメリット
一方で化粧箱にはいくつかデメリットもあります。
【 制作コストが高め 】
化粧箱は設計と印刷・加工の料金がかかります。また、デザイン制作や素材の選定など、多くの工程が必要となります。既製の外箱と比較すると、どうしても金額面や手間といったコストが高くなる点は否めません。
ただし、近年ではネット印刷が普及し、以前に比べて制作のコストは下がっている傾向があります。また、箱の形状や印刷メニューによっては比較的安価で制作することもできます。
例えば当社のネット印刷サービスでは、フルオーダーの設計よりも価格を抑えた「既製サイズパッケージ」商品をご用意しており、コストを抑えて制作することができます。
また、箱の設計(展開図の作成)をサポートするサービスやアプリケーションもご用意しておりますので、費用や手間の削減にお役立ていただけます。
【 大きなサイズへの対応が難しい 】
化粧箱は決まったサイズの用紙から型を切り出して制作することが多いため、大きなサイズの箱の制作が難しい場合があります。また、用紙もダンボールに比べると薄く、大きなサイズだと箱の強度を十分に保てない点もデメリットといえるでしょう。
当社の場合は最大A1サイズ(841×594mm)の用紙から型を制作するため、これより大きな箱の制作は難しくなります。ただし、箱の形状を工夫することで対応できる場合がございますので、大きなサイズをご検討の際はスタッフまでお気軽にご相談くださいませ。
化粧箱の種類
ここからは化粧箱として用いられる箱の種類をご紹介します。それぞれ形状ごとにデザインや強度などの特徴があります。化粧箱の制作をご検討の際に、選び方の目安としてみてください。
【 キャラメル箱 】当社人気No.1
化粧箱として最もベーシックな形状です。シンプルで使いやすいデザインが特徴で、制作コストも安めです。底の強度はあまり高くはないため、主に小さな商品やお菓子など軽量の内容物に向きます。
【 ワンタッチ底 】当社人気No.2
底の2箇所を糊付けした箱で、底の強度が非常に高いのが特長です。また、箱を開くだけ(ワンタッチ)で組みあがる利点もあります。ただし、底面への糊付け工程を挟むため制作コストは高めなのがデメリットです。
【 地獄底 】当社人気No.3
底部分に4枚の羽を組み合わせた形状の箱です。底の強度はワンタッチ底には劣りますが、ある程度の重量に対応でき、制作コストも低めなのがメリットです。ただし、球体などで底の中央に重みがかかる場合に弱い点は注意が必要です。
【 N式箱 】
蓋部分のみが開閉する箱で、ギフト用として定番の形状です。制作コストが低く、仕上がりの美しさに優れます。ただし組み立てがやや難しく、慣れないうちは手間がかかる点がデメリットです。
【 組箱 】
蓋と本体(身)に分かれた、ギフト箱とも呼ばれる箱です。贈答用によく使用され、高級感を演出できる形状です。側面が二重構造となっているので強度も十分ですが、蓋と身が分かれているため制作コストは高めであり、組み立てる手間もかかります。
化粧箱の形状 | 価格 | 底の強度 | 組み立ての手間 | 特徴・用途 |
---|---|---|---|---|
キャラメル箱 | 中 | 弱 | 中 | 最もベーシックな形状 |
ワンタッチ底 | 高 | 強 | 簡単 | 底の強度が高い |
地獄底 | 中 | 中 | 中 | 底の強度とコストを両立 |
N式箱 | 安 | 弱 | 難しい | ギフト向き |
組箱 | 高 | 強 | 難しい | ギフト向き・蓋と身が分かれる |
【 その他の形状の箱 】
その他ではスライドして箱を開閉する「スリーブ箱」や、枕型の「ピローケース」など、様々な形状があります。以下に当社で取扱いのある化粧箱の形状と特徴をまとめておりますのでぜひご参考ください。
化粧箱がよく使われる商品
化粧箱がよく使われる商品の一例をご紹介します。商品によって適した箱の形状があることに加え、デザインの特徴にも一定の傾向が見られます。
【 お菓子、レトルト食品 】
お菓子には輸送時の商品保護の役割はもちろん、美味しさやコンセプトを伝えるために様々な化粧箱が使われています。また、レトルト食品であればパウチ包装の場合が多いので、商品の魅力やコンセプトを伝えるためにも化粧箱が欠かせません。
箱の形状は、小さめのお菓子やレトルト食品であれば「キャラメル箱」が一般的です。その他、贈答用などの高級感・ブランドを重視したお菓子セットの場合は蓋が外れる「組箱」がよく用いられます。
【 健康食品、サプリメント 】
サプリメントのような健康食品は商品の外観で機能の訴求や他商品との差別化が難しいため、化粧箱がその役割を担うケースがよく見られます。化粧箱のデザインとしては成分や効能を前面に押し出したものや、シンプルで清潔感のあるイメージが多く、信頼感や権威性を表すような化粧箱が多い傾向です。
瓶入りの錠剤であれば「地獄底」や「ワンタッチ底」、粉末のサプリメントであれば「キャラメル箱」や「N式箱」の形状がよく採用されています。
【 化粧品、コスメ 】
化粧品は美しさやトレンドといったブランドイメージが商品価値に直結するため、化粧箱は非常にこだわったものが多いのが特徴です。箱の素材に高級紙を用いたり、箔押しやニスなどの特殊加工が施されたものが多く、化粧箱自体に一定のコストをかける場合が多い傾向にあります。
瓶やボトル状の商品には「地獄底」や「ワンタッチ底」などの形状が多く、その他リップやアイクリームには「キャラメル箱」や「ピローケース」、ギフトやセット商品には蓋を開閉しやすい「N式箱」「組箱」などが用いられます。
なお、化粧品をはじめとしたブランド商品の箱は、商品を使い終わった後でも小物入れや贈り物の梱包に利用されることもあり、化粧箱自体が価値あるものとして親しまれています。
【 お酒、ジュース 】
お土産や贈答用のお酒・ジュースなどの飲料にも、ブランドイメージや高級感を演出する化粧箱がよく用いられます。飲料の場合は重量が重くなるので、用紙は厚めのものを使用し、箱の形状は「ワンタッチ底」など、底の強度が強いものを採用する必要があります。また、簡単に蓋が外れないような蓋の差し込みストッパー、瓶のぐらつきを押さえる首抑えなど、専用の作りになっていることが多いです。
化粧箱の制作ならグラフィックにお任せください
いかがでしたでしょうか。化粧箱の意味と特徴、代表的な箱の種類や用途をご紹介しました。化粧箱は内容物の保護はもちろんのこと、商品価値を高め、内容物の魅力を引き立てる役割があります。
商品や贈り物の包装にはぜひ、化粧箱を取り入れてみてください。
なお、本記事でご紹介しました化粧箱は、当社ネット印刷サービスにて制作を承っております。一般的な化粧箱の設計であれば無料でお受けしているほか、専属のスタッフにお気軽にご相談いただけますので、化粧箱の制作が初めての方でも安心してご利用いただけます。
ぜひご検討くださいませ。