名刺におすすめのフォント(書体)とサイズは?
名刺はフォント(書体)の種類やサイズによって、読みやすさや印象が大きく変わります。本記事では名刺に最適なフォントの選び方や注意点をデザイン例を交えながら解説。ポイントを押さえてより効果的な名刺を作りましょう。
名刺におすすめのフォント
フォントは名刺の印象を決定づける大きな要素。ビジネス名刺であれば「明朝体」「ゴシック体」のどちらかを選ぶのが一般的です。それぞれ与える印象が異なるので、会社やサービスイメージによって適した方を選びましょう。
なお、PCに標準で搭載されているフォント(標準フォント)はWindowsとMacそれぞれで異なります。ここでは各OSでの標準フォントを中心にご紹介します。
【 明朝体 】…高級感、格式高い印象、縦書きにも使いやすい
明朝体は縦線が横線に対して太く、筆で書いたような「止め」「跳ね」「払い」のストロークが表現されたフォントです。落ち着きがあり、格式高く、知的な印象を与えます。また、横書きはもちろん、縦書きとの相性も良いため、縦型の名刺でよく利用されます。伝統的なイメージのある職業や、信用、信頼感を特に重視したい場合に用いると良いでしょう。
〈 おすすめの明朝体フォント 〉
- 游明朝(Windows / Mac)
- ヒラギノ明朝(Mac)
- リュウミン(Mac)
【 ゴシック体 】…シンプル、モダンな印象、視認性が高い
ゴシック体は文字の太さが均一なフォントで、視認性(文字の見えやすさ)が高い利点があります。雰囲気としてはカジュアルさ、力強さといった印象を与えるため、モダンなデザインやインパクトを与えたい場合におすすめです。
なお、一般的に明朝体は長文などの「読む」文章、ゴシック体は「見る」文章に適していると言われますが、名刺の場合は印象やデザインを基準としてフォントを選べば大丈夫です。
〈 おすすめのゴシック体フォント 〉
- メイリオ(Windows / Mac)
- 游ゴシック(Windows / Mac)
- ヒラギノ角(Mac)
個性的なフォントは要注意
その他には筆で書いたような文字の「筆書体」、手書き風やユニークなデザインが施された「デザイン書体」があります。個性を出すのに適していますが、一般的でないフォントは判読性が低いこともあるため注意が必要です。ビジネスの場や様々な分野・年代の人に渡す名刺に用いるのはおすすめしません。
名刺に個性を出したい場合は用紙を工夫したり、印刷加工を施すなどフォント以外の部分でも可能です。用紙の選び方は以下の記事でご紹介していますのでぜひご参考ください。
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英語のおすすめフォントは?
近年ではメールやホームページアドレスなど、英語表記を名刺に入れる場合が多くなっています。欧文フォントは大きく分けると「セリフ」「サンセリフ」の2タイプに分類することができます。「セリフ」は文字の端に装飾のついたフォントで、明朝体のイメージに近く、「サンセリフ」はセリフのない、ゴシック体のイメージに近いフォントです。和文と併用する場合は、イメージの近いフォント同士を組み合わせると名刺全体にまとまりが出るのでおすすめです。
〈 セリフ体 〉…セリフと呼ばれる装飾がつく。和文が「明朝体」の場合に相性が良い。
- Times New Roman(Windows / Mac)
- Georgia(Windows / Mac)
- Caslon(Mac)
〈 サンセリフ体 〉…文字の太さが均一。和文が「ゴシック体」の場合に相性が良い。
- Myriad(Windows / Mac)
- Arial(Windows / Mac)
- Helvetica(Mac)
- 〈 セリフ体 〉
- 赤く色がついた部分が「セリフ」です。
- 〈 サンセリフ体 〉
- サンセリフには「セリフ」がありません。「サン」はフランス語で「ない」という意味です。
〈 おすすめのフォント一覧 〉
OS | Windows | Mac |
---|---|---|
明朝体 | 游明朝 | ヒラギノ明朝、リュウミン |
ゴシック体 | 游ゴシック、メイリオ | ヒラギノ角ゴ、メイリオ |
セリフ | Times New Roman、Georgia | Times New Roman、Georgia、Caslon |
サンセリフ | Myriad、Arial | Myriad、Arial、Helvetica |
名刺のフォント別デザイン例
同じ内容で明朝体(およびセリフ体)とゴシック体(およびサンセリフ体)それぞれの名刺デザインを作成してみました。印象の違いに着目しながらご自身の名刺に使うフォントの参考としてみてください。
- 〈 明朝体 〉
- 〈 ゴシック体 〉
おすすめのフォントサイズ
〈 ビジネス名刺でのおすすめのフォントサイズ 〉
- 名前…18~20pt(太字がおすすめ)
- 会社名…12~14pt(太字がおすすめ)
- 部署、役職…7~8pt
- 住所、連絡先…7~8pt
重要な情報は大きく、優先度の低い情報は小さく、といったように内容によってフォントサイズを変えることで視認性が上がります。一般的なビジネス名刺であれば名前を最も大きく、次いで会社名や役職、連絡先のように、重要な情報から順に文字を大きくします。名前や会社名は太字にするとなお良いでしょう。
なお、フォントサイズの大小の違い(ジャンプ率といいます)は、パッと見でも分かる程度に差がある方が全体としては綺麗に見えます。メリハリのあるフォントサイズを選ぶのがデザインのコツです。
【 フォントサイズは最小6ポイントを確保 】
フォントサイズが6ポイントを下回る場合は小さすぎて読めない場合があるのと、印刷したときにインクがにじんで文字がつぶれてしまう恐れがあります。小さな文字はスタイリッシュではありますが、視認性を確保するためにも最小でも6ポイント以上になるようにしましょう。
また、名刺を渡す相手が年配の方が多い場合は全体的にポイント数を上げるなど、相手のことを第一に考えてフォントサイズを決めましょう。
すぐに使えるレイアウトテクニック
名刺のフォントとサイズが決まったら文字の配置にも気を配ってみましょう。レイアウトには基本的な4つの原則があり、名刺に限らず美しく見えるデザインには必ず適用されているルールです。この原則に従って名刺をより本格的なデザインに仕上げましょう。
【 近接 】…連絡先の住所や電話番号をまとめて配置
似たもの同士の情報をまとめて配置します。名刺では「社名」「名前」「連絡先」の大きく3つの分類をまとめて配置すると良いでしょう。
- 近接が適用されていない
- 近接が適用されている
【 整列 】…文字の頭を揃えて配置
文字の頭を揃えることで整然とした印象になります。最低限、先ほど分類した要素の頭を揃えると良いでしょう。
- 整列が適用されていない
- 整列が適用されている
【 強弱 】…重要な情報ほど大きく
名刺で最も重要な名前を大きく、反対に連絡先などは小さく記載すると優先順位を明確にできます。先ほどご紹介したフォントサイズや太さの強弱がこれにあたります。
【 反復 】…同じデザインを繰り返す
全ての文字で同じフォントを使う、行頭のアイコンを同じにする等、同じルールのデザイン的な特徴を繰り返すことで読みやすさや安心感に繋がります。また、名刺に載せる情報は基本的に先頭から「会社名」「名前」「連絡先」の順に並んでいるのが一般的なので、この順番に従って情報を記載するのも一つの反復になります。
デザインの基本を押さえたテンプレートの利用もおすすめ
いかがでしたでしょうか。フォントの選び方やサイズ、配置について、基本的な考え方をご紹介しました。
ただし、いざ名刺を一からデザインすると時間がかかってしまったり、欲しいフォントを持っていない場合もあるかと思います。
そんな時にはあらかじめレイアウトが施されたデザインテンプレートを利用するのもおすすめです。
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