同人誌を描くときのツールや、入稿のコツが知りたい!
イベントへの参加が決まったら、次は同人誌の制作。原稿の作り方には「アナログ原稿」「デジタル原稿」の2種類があり、それぞれ異なるよさがあります。アナログ入稿の際は、印刷所に原稿を郵送するか持ち込む必要があります。特徴をチェックして、どちらで描いていくか決めましょう。今回は最近の主流であるデジタル原稿についてお話します。
パソコンで仕上げるデジタル原稿
ペイント系ソフトや画像編集アプリケーションを使ってPC上で原稿を作成する方法です。ベタ塗りやトーンの流し込み、変形や反転などいろいろな処理が簡単に行えるのはもちろん、デジタルならではの表現や効果が使えます。入稿の際は、web上で印刷所にデータを送るだけでOK。製作用のソフトにはさまざまな種類があり、以下のものが人気です。また、PC上でペンを使って絵を描くための「ペンタブレット」は合わせてよく用いられます。
ソフト一覧
CLIP STUDIO PAINT
マンガ制作とイラスト制作が行えるペイントツール。多機能でトーンなども豊富。
「ComicStudio」と「IllustStudio」の後継ソフト。
SAI
柔らかな線が描けるペイントツール。機能はシンプルで初心者にも扱いやすいソフト。
Adobe Photoshop
写真・画像加工を得意とするソフト。
フィルタなども豊富。Adobe Illustrator
デザインを得意とするソフト。
イラストやロゴの制作に向く
Pointデジタル原稿を仕上げるポイント
現在主流のデジタル原稿の作成は一見難しそうですが、いくつかのポイントさえ押さえておけば、スムーズに仕上げることができます。ここでは、データの作り方や描き方のコツなどをお伝えします。
はじめに、同人誌のサイズを決めておこう
原稿データは、作りたい本のサイズに合わせて等倍で作成するのが基本です。原稿に取りかかる前に、今回作る本のサイズを決めてしまいましょう。
一般的な同人誌のサイズはB5が主流ですが、A4でイラストを大きく見せたい、A5で小さな可愛らしい漫画本に仕上げたい、などサイズで個性を出すのも面白いですね。
<同人誌の一般的なサイズと用途>
A4
サイズ210×
297mm用途: イラスト集
B5
サイズ182×
257mm用途: マンガ・イラスト集。 最も一般的なサイズ。
A5
サイズ148×
210mm用途: マンガ・小説
B6
サイズ128×
182mm用途: 小説
解像度はどのくらいがいい?
解像度とは、「画面のきめ細かさ」を表す数値のこと。数値が高いほどきれいに見えますが、高すぎるとデータが重く、作業がしにくくなります。
おすすめの解像度は下記の通り。あとから解像度を変更しても高精度な画像にはなりませんので、はじめの設定が肝心です。
<同人誌を作るときの推奨解像度(dpi)>
カラー
350~400dpi
モノクロ
(グレースケール)600dpi
モノクロ
(2階調)1200dpi
解像度に応じたサイズを計算できます。
仕上がり位置の目印「トンボ」をつける
同人誌を作るときに、よく耳にする「トンボ」。これは印刷したり、紙をカットしたりする位置を示す目印のことです。同人誌のサイズに合わせたトンボを作り、その範囲内に描いていきましょう。
ちなみに紙は、仕上がり線の部分でカットされます。カットは多少ずれることもあるので、次のことを意識すると、仕上がりがきれいになりますよ。
- 大事なセリフや絵は、仕上がり線の内側に描く
- 塗り足し部分までめいっぱい描いておく
保存形式も確認しておこう
データの保存形式についても、最後にもう一度チェックしてみましょう。印刷所が対応できる形式であることを確認します。また、「手違いによって、ひとつ古いバージョンを入稿してしまった」などのケースもよくあります。
- ファイル形式が入稿予定の印刷所に対応しているか
- 最新のデータになっているか
- データが破損していないか
困ったことがあれば、すぐ問い合わせを
基本的なルールを押さえていても、印刷所によって決まりが異なることもあります。困ったときは入稿する印刷所に問い合わせてみましょう。